【俺様番外編】役者達の日常
合宿でのキャンプファイアーで桜といろいろ話した。



マジ見ため通りの純粋さに俺の汚れた心が癒された。



「琉伊は好きな子いないの?」



桜にそう聞かれて初めて気づいた。



俺って誰かを好きになったことねぇ…。



寄ってくる女と適当に遊んで、適当にヤって終わり。



俺って人の本当の温もりを知らないんじゃないか?



「俺はいないけど、桜はいんの?」

「好きか分かんないけど、気になる人はいるよ?」

「どんな奴?」

「とにかくカッコイイの!!」



何かよくわからないけど胸が痛んだ。



桜がすげぇいい顔して話すから…。



俺も誰かにそんな顔で話されたいと思った。



合宿から帰った俺は女と遊ぶ気が起きなかった。



なんでだかよくわからないけど、桜のあの顔が頭から離れなかった。



「親父、親父はオカンとどうやって知り合ったんだ?」

「何だお前。恋でもしたんか?」

「恋?んなことあるわけねぇ。」



恋なんてしらねぇし。



ましてや俺は誰かを好きになることがないと思う。



「今から行っていい?」

「いいよ?琉伊からなんて珍しいね?」



俺は人肌を求めるようになった。



ヤった女に恋愛感情と言う物は…。



ナイな。



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