無口な彼女



澪の声はいつも通りの明るい声。



顔を見たら、予想外に優しい顔をしていたから、思わず目を見開いてしまった。



「ひとつだけ言っとく!」



「…。」



澪は、ニコッといつもの笑顔で



____________



「ヒヨリは、ひとりなんかじゃないよ。」



周りはざわざわとにぎやかなのに、



そういった澪の声は、すごく鮮明に聞こえた。



そして、私の頭の中でこだまする。



「…それだけ!お互い仕事がんばろ!」


とびきりの笑顔で、控え室に入っていく澪。



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