無口な彼女



______________



廉耶の茶色い瞳が、私の目をじっと見つめる。



「そして、俺は調べた。自分のことや、周りのことを。」







今の廉耶は、全て忘れてしまっている。



みんなとの思い出や、そのとき芽生えていた感情…。



_________すべて…



「全てを知った俺は、お前に確認しようと思ったんだ。…そして、今だ。」







悲しそうな瞳をしている廉耶。



あの頃の廉耶は、こんな悲しい瞳をする男じゃなかった。



頼りがいのある、頼もしく優しい、兄のような存在。



「…俺は、店をやめる。」



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