無口な彼女



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「はっ、なんで…」



「お前に、俺の存在が知られた以上、別に隠す必要もない。」







まあ、言われてみればそうか。







あの廉耶に、突き放されるように言われると、なにか心が痛む。



だが、そんな痛みは、



廉耶の懐かしい笑顔で消え去った。



「元々、この店で働いてんのは、知り合いの手伝いだったんだ。それからノリで女装してさ、今じゃなんかすげえことなってるし。」



目尻にシワを寄せて笑う廉耶。



懐かしい笑顔。



笑い方は変わらない。



「…あ、あと、ヤスは悪い奴じゃねえ。」



______________________ヤス…



なんで廉耶がヤスを…



「アイツらを殺したのにはかわりないが、本当は悪い奴じゃないんだ。」



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