無口な彼女




…でも、それも違ったのだろうか。




守る存在を作らなければ、私は、




ひとりになってしまうのだろうか。









もう、わからないんだ。




「なあ、お前はさ、」





いきなり廉耶が話出す、





私は、無表情のまま、彼に視線を向ける。






「…自分が思ってるより、周りから信頼されてるし、よく思われてる。」





__________



…なにを根拠にそんなこといってんだ、




と思い、私は廉耶を睨む。




「ふっ、もっと自分に正直になれ。」




…__________




__________




その言葉…。



廉耶が、族に入らないか、と誘ってきたときに言った言葉…。





廉耶は、覚えてないはずなのに。





記憶がなくても、心は同じってことか。





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