無口な彼女
_______________スッ
俺たちは、慌てて後ろを振り返る。
慎「…コイツが。」
…
俺たちの目の前には、威圧感のある奴の姿があった。
黒いパーカー着て、フードを被っているため
顔が見えない。
けど、顔が笑ってないことくらい俺にはわかった。
…
陽「…チ」
静まりかえった繁華街に響く、奴の舌打ち。
周りの傍観者は、体を震わす。
…
こりゃ、予想以上だな。
俺も、恐怖を感じる。
でも、
フードから動く度に見える白い肌は、
すごく弱々しく見えた。
陽「てめえら、なにつったってんだ。
殺られてえのか。」
そういって、イライラした様子で俺の間近にくる。
裕「…廉耶。」
「あぁ。」
俺はそういって、奴の顔に向かって、拳を向ける。
陽「お。殺んの」
神宮はそういって、スルリとかわす。
なめらかな動き。