無口な彼女
「…別に何もない。」
そういって、また寝ようとした。
が。
「俺さ、」
と光輝が話だしたから、再び光輝に視線を向けた。
「お前のこと、どっかで見たことある気がすんだ。」
_________ズンッ
頭に、何か鈍い痛みが走った気がした。
「その瞳、俺知ってる。」
そういって、顔が近付いてくる。
何も言えず、光輝の赤いカラコンの入った瞳を見つめる。
…。
なんで光輝が私を知ってる?
…
もし、本当に知っていたとすれば
それは、綺鈴にいた時しかない。