ふたりのガールフレンド
「本当ふざけないでよ」
「ふざけてなんていないよ。俺は大真面目だ」
「なおさら質が悪いじゃん」
きりり、と真剣な顔を作るミズキに思わず呆れてしまう。
「……で?」
「は?」
ベッドからミズキを突き落とそうと攻防を繰り広げていると、ふと思い出したようにミズキは口を開いた。
「優那の様子はどうだった?」
お前が私にそれを訊くか。
思わずげんなりとした私を見て、けらけらと笑ったミズキの足を引っ付かんで力任せにベッドから引きずり落とした。
「レイちゃんいったーい」
「もっと痛くしてあげてもいいんだよ」
落ちたときに床に打ちつけたらしい腰を擦っているのを一瞥して、背を向けた。
着替えのために制服を脱ぎ始めた私を、ミズキが背後で見ているのがなんとなく分かる。
別に減るものじゃないし、勝手に見ていればいい。いまさらミズキに見られたからといって何になるのだ。とは思ったものの、ブラウスのボタンを全て外し終わり、脱ごうとしたところで流石に手を止めた。