小春日和
寂しくないなんて強がりを言いやがって。無意識下でも俺を求めている香織に、愛しさが込み上げてくる。
『…ん…、ぁ…お帰りなさい』
突き上げる衝動のまま香織を抱きしめれば、寝ぼけてるのか、ふにゃりと嬉しそうに笑って抱きついてくる。
ああ、たまんねえ。
「ただいま。今日は早めに休んだんだってな。どうしたんだ?」
下あごに手をかけ、未だぽやんとして焦点のあわない瞳を覗き込んで聞けば、早めに休めば俺が帰って来た時に起きても、翌日眠くないかもと思ったらしい。
なんだよそれ、可愛い過ぎんだろ。
「なんだ、誘ってんのか?そんなに期待して待っててくれたんじゃあ、応えない訳にはいなねぇな」
そんな意味で言ってない事は百も承知だが、煽ったお前が悪いんだぞ。
俺は香織が何かを言う前に、有無をいわさず柔らかくて甘い唇を貪り、六日ぶりの香織を心ゆくまで堪能した。