小春日和
岩城さんへの報告は朝晩の二回。昼については、戻ってきた弁当箱を渡すことで報告を済ませていた。
ところが学校での姐さんの様子を、焔虎のメンバーから聞いて驚いた。
毎日空で戻ってくる弁当箱に、昼は残さず召し上がっているとばかり思っていたのだが、弁当の半分をダチに食べてもらっていたらしい。
だが、その事実を軽く考えてた俺は、数日遅れで岩城さんにそれを報告し、すげえ勢いでぶっ飛ばされた。
昼飯を半分残したぐらいで、どうしてそこまで。
内心腑に落ちない俺に、岩城さんは姐さんの健康に関わる問題だからと、その理由を丁寧に教えられた。
「姐さんの月のものが前回いつ来たか知ってるか」
「え……、すみません。分かりません」
「若頭の話しでは、ここ三カ月は来てないそうだ。
俺が何でんな事を気にするのか、分かんねえか」
「すみません。分かりません」
「今すぐって訳じゃねえが、姐さんには大事な跡取りを産んでもらわなきゃなんねえ。
そん時に、月のものが来てなきゃどうなる?」