Iloveyouの1言を。
~巧~ ふいにケータイの着信音がなる。
…桜だ。
今日は土曜日。
昨日からテスト週間で、テスト勉強を一緒にしようと約束したんだ。
『もしもし』
聞き慣れた桜の声。
だけど電話越しに聞く桜の声はいつも以上に低くて…
『もしもし俺』
『今から行ってもいい』
『ん。待ってる』
なんか変な物とかないかな…。
電話を切った俺はキョロキョロと周りを見渡す。
付き合ってから桜が俺の家に来るのは初めてだった。
柄にもなく緊張してしまう俺。
ピンポーン
(早っ)
ついさっき電話を切ったばかりなのに…。
「じゃあ~ん見てみてミルク」
玄関のドアをあけると同時にずいっと子猫が差し出される。
…ミルクっていうのは俺と桜が初めて出会ったきっかけになった子猫。
半年前よりずいぶんでかくなっている。
「この子が私たちを繋げてくれたんだよね大切に育てないとねっ」
へへっと笑う桜は俺の部屋へ向かう途中、「ねぇ」と口を開く。
「お母さんとかは」
「あー…父さん仕事で母さんパート。で、姉ちゃんは彼氏とデート中」
部屋につき扉をあける。
ん…今の状況って俺と桜二人きりなんじゃ…
「わぁ~巧の部屋だぁ。きれいじゃん」
桜は一通り見回すと、俺が座った隣にちょこんっと座る。
…時々触れる肩に内心ドキドキさせながら、俺は疑問に思った。桜はドキドキしないのだろうか…。
そりゃ意識しすぎて勉強ができなくなるのもあれだけど…。
意識されないのも…
「ねぇ巧…ここどうやってやるの」
桜が開いた教科書を前に頭を抱えている。
「ああ、そこは…」
ちゅっ
…同時だった。
俺が桜のほうへむくのと桜が俺の方へむいたのが。
「…」
しんと静まりかえる部屋。
…そういえば付き合ってからキスをしたことはなかった。
桜はっ…
「あっ…いっ…今のは無しでっねっ」
えっ…
「ねっ勉強しよ勉強っ」
桜にとってあれはノーカウント
勉強に負けるほどどーでもよかった
なんだ…
バカみたいに意識しまくってバカみたいだな…俺…。
「ごめんっ巧!」
「は?」
「そんな顔させたかった訳じゃないの…ただ…」
そんな顔って俺そんな傷ついたような顔してた
「この家に二人しかいないって思ったら変に意識しちゃうし…必死に隠してたのにキスしちゃうし…本当はなかったことになんてできないの…」
意識…してたんだ。
なかったことにしたかった訳じゃないんだ…。
「大好きだからね巧」
潤んだ瞳で見上げてくる桜。
『俺も…』言おうとした言葉がのどにつまる。
桜が俺の口にキスしたから。
「えへへ。ちゃんとできた」
照れて顔を赤くするまで、桜は俺のことをまっすぐに見ていた。
不意打ちは反則だと思う。
…桜だ。
今日は土曜日。
昨日からテスト週間で、テスト勉強を一緒にしようと約束したんだ。
『もしもし』
聞き慣れた桜の声。
だけど電話越しに聞く桜の声はいつも以上に低くて…
『もしもし俺』
『今から行ってもいい』
『ん。待ってる』
なんか変な物とかないかな…。
電話を切った俺はキョロキョロと周りを見渡す。
付き合ってから桜が俺の家に来るのは初めてだった。
柄にもなく緊張してしまう俺。
ピンポーン
(早っ)
ついさっき電話を切ったばかりなのに…。
「じゃあ~ん見てみてミルク」
玄関のドアをあけると同時にずいっと子猫が差し出される。
…ミルクっていうのは俺と桜が初めて出会ったきっかけになった子猫。
半年前よりずいぶんでかくなっている。
「この子が私たちを繋げてくれたんだよね大切に育てないとねっ」
へへっと笑う桜は俺の部屋へ向かう途中、「ねぇ」と口を開く。
「お母さんとかは」
「あー…父さん仕事で母さんパート。で、姉ちゃんは彼氏とデート中」
部屋につき扉をあける。
ん…今の状況って俺と桜二人きりなんじゃ…
「わぁ~巧の部屋だぁ。きれいじゃん」
桜は一通り見回すと、俺が座った隣にちょこんっと座る。
…時々触れる肩に内心ドキドキさせながら、俺は疑問に思った。桜はドキドキしないのだろうか…。
そりゃ意識しすぎて勉強ができなくなるのもあれだけど…。
意識されないのも…
「ねぇ巧…ここどうやってやるの」
桜が開いた教科書を前に頭を抱えている。
「ああ、そこは…」
ちゅっ
…同時だった。
俺が桜のほうへむくのと桜が俺の方へむいたのが。
「…」
しんと静まりかえる部屋。
…そういえば付き合ってからキスをしたことはなかった。
桜はっ…
「あっ…いっ…今のは無しでっねっ」
えっ…
「ねっ勉強しよ勉強っ」
桜にとってあれはノーカウント
勉強に負けるほどどーでもよかった
なんだ…
バカみたいに意識しまくってバカみたいだな…俺…。
「ごめんっ巧!」
「は?」
「そんな顔させたかった訳じゃないの…ただ…」
そんな顔って俺そんな傷ついたような顔してた
「この家に二人しかいないって思ったら変に意識しちゃうし…必死に隠してたのにキスしちゃうし…本当はなかったことになんてできないの…」
意識…してたんだ。
なかったことにしたかった訳じゃないんだ…。
「大好きだからね巧」
潤んだ瞳で見上げてくる桜。
『俺も…』言おうとした言葉がのどにつまる。
桜が俺の口にキスしたから。
「えへへ。ちゃんとできた」
照れて顔を赤くするまで、桜は俺のことをまっすぐに見ていた。
不意打ちは反則だと思う。