大好きで大嫌い 《完》

*side kasumi

♡SIDE KASUMI♡



はー。


どうしよう。


あからさまに避けてる。


だって、気になるんだもん。


二月の時なんで愁ちゃんがあそこにいたのか。


坂本先輩とは何もなかったって言ってたけど。


あの外出嫌いの愁ちゃんがなんで。


うー。


気になる。


ヴーヴー。


メール?


携帯をチェックすると愁ちゃんからのメールだった。


嘘。


初めてかも。


昔愁ちゃんの携帯を奪って番号をを無理矢理登録した以来。


恐る恐る開く。


《明日空けとけ。》


素っ気ない・・・


明日って土曜日か。


《え、デート??》


半信半疑で送って見る。


《悪いか。》


マ、マジで?


本当にデート?


え、ヤバイ。どうしよう。


《本当に?!?!》


手を震わせメールを打ち込んで送った


《ああ。》


キャー。


本当にデートだー。


一人で騒いでるとお兄ちゃんが入って
きた。


「霞、何騒いでるの?」


「あ、ああああ明日デートだって。」


思わずお兄ちゃんに飛びついた。


「デート?!
霞が?
誰と?!」


怒るお兄ちゃん。


「え、愁ちゃん?」


「愁と?!
ダメだ!!
お兄ちゃんが許さん。」


「うるさいなーもー出てって。」


頑張って騒ぐお兄ちゃんを部屋から押し出して明日着る服を選んだ。


ーーー


うーん・・


コーデは三つまで絞れたけどな・・


・・・・・よし。


これで行こう。


大きのカーディガンに白のミニワンピース。


ゆる巻にしてー、


ナチュラルメイク。


あ、それと愁ちゃんにもらったネックレスつけて行こう♪


よし、明日の用意は出来た。


「霞ー。ご飯よー。」


「はーい。」


したに降りるとお兄ちゃんはもういてまだ不貞腐れてる。


「かーさん、霞明日愁とデートだって。」


「あらあら、愁ちゃんと?
いいじゃない?」


「良くない!」


「いいじゃない!!
付き合ってるんだから!」


おかあさん!!


「付き合ってるー?!霞?
お兄ちゃん聞いてないぞ。」


お母さん、言わないって
約束したのに・・


「べ、別にいいじゃん。」


「良くないいい。
俺の可愛い妹がー。
しかも愁の取られたー。」


うるさいなー。


これだからお兄ちゃんにはは言いたくなかった。


何夜間やでなんとかその夜は過ごせた。


ピピピピーーーー


よし、支度支度。


昨日の出しておいた服を着て、髪を巻いた。


メイクは普段余りしない分時間掛かったけどなんとかなった。


鏡の前で最終チェックをして。


したに降りた。


靴を履いているとお兄ちゃんが後ろからやってきた。


「何、お兄ちゃん?」


「これ、何?」


愁ちゃんからもらったネックレスを指差す。


「べ、別に?」


「さては愁からもらったやつか。
この服装だとお兄ちゃんがあげたやつの方が会うのにいいいいい。」


子供見たに駄々をこねる。


「いいの!私はこれが付けたいの。」


「行かせん。」


腕をガシッと掴まれて出て行くにも出て行けない。


「ちょっとお兄ちゃん!!」


「こらお兄ちゃん!
霞を離しなさい。」


お母さんも加わって来て。


大騒ぎ。


なんとかお母さんがお兄ちゃんを抑えてドアを開けた。


「かすみーーーー、
せめて何かされたりしたらすぐお兄ちゃんにメールをするんだぞーーーーー。」


「はいはい。行ってきます。」


最後までゴネるお兄ちゃん。


「はぁー・・」


「相変わらずだなお前の兄貴。」


フッと笑う愁ちゃんが外で待っていた。


迎えに来てくれるなんて思ってもいなかったからびっくりしてる後退りする。


「なに?」


ムッとする愁ちゃん。


「ううーん、なんでもない。」


「ふーん、行くぞ。」


そう言って私の手を握り歩き出す。


て言うか、今日頑張って可愛くてしたのにノーコメントですか・・・


それから電車に乗ってたどり着いたのは新しく出来たショッピングモール。


「わぁー。ここ来て見たかったの!!」


ここは女の子の間で大人気のデートスポット。


なんでもあって一日じゃ回り切れないと言うほど大きい。


「早く行こ?」


「ああ。」


愁ちゃんの手をグイグイ引っ張り歩き出す。


ーーーーーー


一通り回って買い物もした。


私の入りたいお店は愁ちゃんは嫌がらず全部付き合ってくれた。


こう言う優しさも私は好き。


「ちょっと座るか?」


白いソファーを指差す。


「うん、ちょっと疲れたし。」


ぽふっと座りこむ。


わーふっかふか。


「飲み物買ってくる。」


「うん。」


私は愁ちゃんを待って座っていた。


「ねーねー、君一人?
俺らと遊ばない?」


声をかけられたのは見るからに不良っぽい二人。


「いえ、あの、いいです。
彼氏を待ってるので。」


「彼氏?またまた。嘘でしょ?」


腕を掴まれる。


「は、離してください。」


「困った顔も可愛いね。」


愁ちゃん・・・


「おい、」


後ろから愁ちゃんの低い声がする。


「あ?なんだてめー?」


「人の女に手出さないでくれる?」


「ッチ。本当の男いたのかよ。」


二人は去って行った。


「なに、ナンパされてるんだよ。」


怒ってる・・


「ごめんなさい・・」


ヤバイ怒らせちゃった・・・


「はー、もういいから。
はい、アップルシナモン。」


「あ、ありがとう。」


私の好きな飲み物覚えてくれてたなんて。
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