空のこぼれた先に

……さっきから、本当に間一髪。

初めに短剣を投じてきた男と、先程弓を射てきた男は、別人のようだった。

ということは、この入り組んだ迷路のような道の中に、他にも武器を持った敵が潜んでいる可能性は大いにある。

一体どうして彼女たちが命を狙われているのかは分からなかったが、すでに敵に顔を見られてしまっている以上、俺も彼女たちの仲間だと思われているだろう。

深く考える前に彼女たちと行動を共にしてしまったけれど、俺ももう後戻りはできないのかもしれない。

……こっちは女が2人。

しかも深窓の令嬢とおそらくその侍女。


普通に逃げていたら、どうしたっていつかは捕まる。

何か、敵を撒く方法を考えなければ。
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