【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
最終の第4クォーターに入る2分前。



箱田先生は、そんな不甲斐ない第3クォーターの結果に、怒ることはなかった。



「お前達は、御劔がいないと勝てないチームやったか?」



ただそれだけの言葉に、行雲先輩と泰ちゃんの目の色が変わる。



「神楽木、仇野、お前達の仕事は?」



「しつこく相手をディフェンスして、リバウンドを取る!」



「ファールを怖がらず、ボールを通さないことです!」



秀吉キャプテンの問いに二人は拳をぐ、と前に突き出しゴツ、とくっつける。



「じゃあ、十六夜、小鳥遊、お前達は?」



「俺は彼等よりも君等よりもバスケは出来ん。やけど、誰よりスタミナがあるけん、最後の10分、動きで彼等を翻弄するよ」



「俺は…………冷静に、全体を見て、あんた等を動かす!」



二人の出した拳に同じように拳をくっつけると、有ちん先輩も、秀吉キャプテンも、同じようにしてくる。



「得点は、俺が外から、神楽木がゴール下から狙う。………菊地、ぶっ潰す!」



「「「「イェッサー!!」」」」



そして、戦いは最終局面に、突入していく。
< 119 / 521 >

この作品をシェア

pagetop