【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
バシィィィィ!!
その、誰もがうっとりするほどのショットが、弾かれた。
「な…………高森!」
ピッピィィィィ!!!
それと共に、試合終了のブザーが鳴り響く。
「え……同点で終わり?どうなんの?」
静かになってしまった体育館に、俺の呟きが嫌に間抜けに響いた。
「これが公式戦やったら、延長戦ってところやろうが…」
困った困ったと頭をかく有ちん先輩。その顔がホントに困ってる人のそれじゃないくらい爽やかなのは、突っ込まないでおこうと思う。
「えー、この試合、延長戦なしだ!決着はインターハイまで持ち越しにする!」
この試合に終止符を打ったのは、箱田先生と肥後学の監督だった。
納得行かないで各校の生徒がブーブー言っている中、秀吉キャプテンが、静かに右手を見つめていた。