【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「皆っ………!ベスト4が、出揃ったばいっ!」
もうひとつの会場に試合を偵察しに行っていた由貴先輩が、慌てた足取りで帰ってくる。
「で、結果は?…どうしたと?由貴」
珍しく表情を強張らせた由貴先輩に、有ちん先輩が声をかけると、握っていたオーダー表が開かれる。
赤で勝ち進んだ学校を記されたオーダーを見ると、4つのチームが確認出来る。
うちの他に、第1シードの慧心、第2シードの菊地、そして……。
「荒尾商業?聞いたことねぇ。ってか、肥後学が負けたとか、嘘やろ?」
行雲先輩が由貴先輩に尋ねるも、その答えは、非情なもの。
「嘘やない。…ボロ負けや。私もこの目ば疑うほどやった」
98-52と記された結果に、愕然としてしまう。
うちと互角に戦った肥後学が、ノーシードの、しかも先輩達が知らない学校に、負けただと?
「ダークホースやわ。しかも、出とった選手全員が一年生と来た」
頭を抱える由貴先輩。俺も目の前が真っ暗になるような、そんな感覚に苛まれる。
嘘だと言ってほしい。悪い、夢だと。