【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
コート上の支配者
水前寺高校三日目の朝。
「おはよう泰ちゃん。早いねぇ」
「おはよー。椿はギリギリやねぇ。そういえば、昨日練習見学に来とった?」
「いや、はは。あのグラマーな先輩に無理矢理」
俺は一昨日の1on1のことから、昨日の経緯まで、泰ちゃんに簡単に説明する。
「なら、迫田先輩に勝った一年生って、椿んことやったと!?スゴかやん!」
「いやいや、1on1は親父とのコミュニケーションツールだから出来るけど、バスケは授業しかやったことないよ。それに俺、おやつ作りしたいから、調理部希望」
俺の答えに、泰ちゃんは苦笑い。
「椿がおったら部活楽しいのに、残念やわー」
確かに泰ちゃんと同じ部活は楽しそうだけど、昨日の迫力ある泰ちゃんのディフェンスは、受けたくないわ俺。
一人青ざめる俺に、穏やかに笑う泰ちゃん。んー、爽やかな、朝。