【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
インターハイ県予選~対荒尾商業~
もうひとつの準決勝は、由貴先輩の言う通り『格上』の一方的な試合展開だった。
「「「菊地!菊地!」」」
県内屈指の強豪校の菊地サイドの応援は、体育館全体に響き渡る。
一方、これまで日の目に出ることのなかったダークホース荒商は、部員全員が選手。それも、ベンチの控えは三人と手薄。
学力至上主義らしい荒商の選手は、各々洗髪やピアスの着用等、俺の地元横浜で良く見るような高校生の風貌だった。
その荒商が、菊地を突き放す試合展開。
第3クォーターで点差は既に87点。
菊地の大勢の応援団は、諦めの声を含ませながら尚も声を張り上げる。
「なんかさぁ、荒商の7番、どっかの誰かさんみたいやな」
「…んんー?どこの誰ぇ?ゆっくん」
試合を眺めながら行雲先輩がピカ先輩をじとーっと見つめる。
当の本人のピカ先輩は、俺が焼いてきたクッキーを袋ごと独り占めしている。
7番のフォワード、確かに、ピカ先輩そのもの。
気味が悪いくらいに、似ている。
頭部から伸びたヘアーアクセサリでオールバックになったブロンドヘアーも、両耳に着いた小ぶりなピアスも、更にはオフェンス時の癖も、まるでトレースしたかのように、似ているのだ。
ただし、向こうは身長が高い。恐らく行雲先輩クラスはあるだろう。
呑気にバリボリクッキーを食べるこの小さな妖精は、粉を口につけて、ニヘラっと笑う。
「ええー、だってさぁ、あれ、俺の可愛か弟やしぃ?」
………………ハァァァ!?
「「「菊地!菊地!」」」
県内屈指の強豪校の菊地サイドの応援は、体育館全体に響き渡る。
一方、これまで日の目に出ることのなかったダークホース荒商は、部員全員が選手。それも、ベンチの控えは三人と手薄。
学力至上主義らしい荒商の選手は、各々洗髪やピアスの着用等、俺の地元横浜で良く見るような高校生の風貌だった。
その荒商が、菊地を突き放す試合展開。
第3クォーターで点差は既に87点。
菊地の大勢の応援団は、諦めの声を含ませながら尚も声を張り上げる。
「なんかさぁ、荒商の7番、どっかの誰かさんみたいやな」
「…んんー?どこの誰ぇ?ゆっくん」
試合を眺めながら行雲先輩がピカ先輩をじとーっと見つめる。
当の本人のピカ先輩は、俺が焼いてきたクッキーを袋ごと独り占めしている。
7番のフォワード、確かに、ピカ先輩そのもの。
気味が悪いくらいに、似ている。
頭部から伸びたヘアーアクセサリでオールバックになったブロンドヘアーも、両耳に着いた小ぶりなピアスも、更にはオフェンス時の癖も、まるでトレースしたかのように、似ているのだ。
ただし、向こうは身長が高い。恐らく行雲先輩クラスはあるだろう。
呑気にバリボリクッキーを食べるこの小さな妖精は、粉を口につけて、ニヘラっと笑う。
「ええー、だってさぁ、あれ、俺の可愛か弟やしぃ?」
………………ハァァァ!?