【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「………………勝った」
「「「「勝ったァァァァ!!」」」」
思わず力が抜けて、尻餅をつく俺。
歓喜に湧く水高サイド。ベンチの者も全員がコート内に走り、戦い抜いた選手へ飛び付く。
秀吉キャプテンがこちらへ走り寄り、ガチガチテーピングの右手を差し出す。
「これでまだ、お前達とバスケが出来る」
その右手を強く握り返し、立ち上がる。
「キャプテン、楽しいや、バスケ」
「ああ……こんなに楽しいもの、簡単に終わらせてたまるか。そうだろう?」
そんな俺達に、コート上の立役者達が次々に抱きついてくる。
そんな中、ピカ先輩は相手チームの影の功労者の監督の元へ、走る。
「また君と試合が出来て、楽しかったばい!いつかまた、今度はコートの中で」
「………ああ!それまでバスケ、辞めたらいかんぞ!」
友情、繋がり、絆、技術に、大きな勇気と、その全てを底上げする努力。
様々な学校の想いが交錯した県大会は、熊本県立水前寺高校の初優勝で、幕を閉じた。