【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
涼しい、クーラーの効いた静かな図書館。
奥の席に座った行雲先輩達にバレないよう、入口手前の一角に俺達は陣取る。
あちらの二人は、俺達に気付くことなく真面目にお勉強しているみたいだ。
「さて…ついでだ、御劔、お前の英語も俺が見てやろう」
「秀ちゃん、まさかそれが今日のホントの目的やったりして……てへぺろ」
バッグから参考書を取り出す秀吉キャプテンに、苦笑いのピカ先輩。
横でスパルタ勉強会が始まったのを他所に、俺は漫画コーナーから持ってきたバスケ漫画を読み始めた。
快適な空間で、穏やかに過ぎる時間。
部活でくたくたになってるせいか、眠くなってきた頃。
漫画を読んでいた視界の端で、真っ赤になって奥の本棚に引っ込む女子を確認。
行雲先輩も遠くから見ても分かるくらい真っ赤になった顔で、携帯を取り出した。
『可愛すぎて朝んキスの話ばふったら逃げてった!どぎゃんしよう、怒らせたかな?』
泣きマークの顔文字入りのラインが、グループラインに飛んでくる。