【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
その空中の戦いを制したのは、いつもは水高の自慢のセンターで、今はかなりの強敵泰ちゃん。



「チッ!巨体で身軽なんて、けなるい限りや!」



桜山の捨て台詞を受けながら、泰ちゃんはゾーンから抜け出したピカ先輩へパス。



そのまま身軽にひょい、とゴールにボールを置くような仕草でピカ先輩がレイアップ。先制点はあちらに渡った。



「何や、水高、今までインハイ出たことないん、にわかに信じがたいどすわ」



「次、気を取り直してオフェンス一本!」



槐の言う通りだ。それだけ、今年新たに加わったセンターの泰ちゃんの力が、水高に影響をもたらしてるってことなんだろう。



そんな水高のガードやってる俺なんだから、皆のことは分かってる。



だったら、やっぱり負けらんないんじゃない?この勝負。



ボールを拾い、スローインの体勢を取りながら、向こうの出鼻を挫く方法を、頭の中に巡らせた。
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