【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~



「うわぁ、皆から聞いとったばってん、おっきな家やわ」



思えば、有ちん先輩がうちに来るのは初めてだ。



かわいこちゃんズは週に少なくとも二回は来たり泊まったりしてるし、たまに秀吉キャプテンや泰ちゃんもバスケしに来てたし。



「部活の時、練習一番一緒にやってんのに初めてなんだね」



「いつも夜は走り込みしよるけん、なかなか機会なかったかもしれんね」



俺は有ちん先輩を家に通し、そのまま靴を持って来てもらい、庭のバスケットコートへ案内する。



縁側に荷物を置いた有ちん先輩は、うちの庭に、口をぽかーんと開けた。



俺は近くに置いていたボールを取り、有ちん先輩にひょい、と投げる。



「言い出しっぺからオフェンスね。これ、小鳥遊家のルール」



靴を履き、コートのど真ん中に立ち笑って見せると、有ちん先輩が唾を飲み込み、喉仏を上下させる。



そして静かに俺の元へ走ってくると、有ちん先輩もスッと構えた。



有ちん先輩の『心の奥に眠るもの』不躾かもしんないけど、見せてもらうよ。
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