【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
パチパチパチ………。
晩飯を食い、何故だか親父が買ってきた花火を、俺と有ちん先輩は二人でやっていた。
買ってきた本人は、花火をやってる俺達を写メってる。
多分、ブラコン槐に送り付けるのだろう。この親バカめ。
「ねー小鳥遊」
「なーに有ちんせんぱーい!」
花火の光と煙に包まれながら叫ぶと、有ちん先輩が近くに走って来る。
「いやね、花火ばしよったら、去年冷泉と由貴としたこつば思い出して。…あん二人、本選終わるまでになんとかならんかな?俺悩み事、少しでも減らしたいけんさー」
「それな。両想いなのにねー。お互いバスケが一番っていうか、終わるまでって意地張ってるってーの?」
その俺の返事に『別に彼女げな、おっても両立出来るとに』なんて、しれっとリア充発言をした有ちん先輩はとても楽しそうで。
「有ちん先輩、勝とうね」
「うん。俺…もっと、バスケがしたい。皆としたいけん、やるだけやろう」
大丈夫。うちには頼もしいシックスマンがいるから、俺達は勝てる。
そう信じて、俺は星の瞬く夜空を仰いだ。