【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
水高63-64凌華学院



ゴールとして、それは認められなかった。



「え……………?何で?逆転でしょ?勝ち、じゃないの?」



動けなくて、胸が、空気でぐわっと押し潰されそうなくらいに苦しい。



何度見ても、得点ボードは変わらない。



負けた、という事実よりも先に、涙がぶわっと溢れて、視界が霞んだ。



「何で………だよっ!」



カッコ悪いくらいに溢れる涙は、行き場がなく、バッシュとフロアにポタポタと落ちる。



「小鳥遊…終わった。終わったんだ」



そんな俺の頭を優しく撫でるのは、少し困った顔で笑う、秀吉キャプテンだった。
< 509 / 521 >

この作品をシェア

pagetop