【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~



試合後、二階で箱田先生とキャプテンの話を聞きながら、俺は泣いた。



人生の中で、こんなに訳がわからなくなるくらい泣いたことはなく、これをどうやって止めるか、俺には分からない。



泰ちゃんも、行雲先輩も、他の部員達も、歯を食い縛り、けれどもどうしても我慢出来ない、というように涙を流す。



そんな俺達を、兄貴風を吹かして困ったように眉毛を下げたピカ先輩が、背中を擦り慰める。



一番泣きたいはずの秀吉キャプテンや有ちん先輩は、毅然とした態度で、皆の前では一度も泣かなかった。



たった二歳しか変わらないのに、泣かない三人がとてつもなく大人びて見えた。
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