あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
ということでわたしは、体調不良を隠して体育祭に臨んでいる。
って言っても、出る種目以外テントの中で待機してるだけだから、楽なんだけど……
今も、開会式が終わって綾香と喋りながらテントの中で待機中。
「きゃーー!!」
いきなり、テントの中が黄色い歓声で騒がしくなる。
何事かと思って、黄色い歓声の彼女達の視線の先に目をやった。
「アルトくーん!!!」
「夏樹くーん!頑張って~!!」
二人の男子が徒競走で、争っていた。
彼……来てたんだ……
こういうの休みそうなのに……
「きゃー!!さすが私のアルト様!
1等賞ですわ~♪」
一番聞きたくない声が、わたしの耳に響いた。