あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー




そのままわたしは、その場にしゃがみこんだ。




わたし……わたし……




そんなこと…考えるなんて……




最低な女だ……




こんな自分……知らない………





恐い……




わたしは、ぎゅっと体を抱き締めた。




嫌だ……こんな自分……





醜い……





「あれー?野崎じゃん。大丈夫?」




と、しゃがみこんでいたわたしを心配してくれたのは………




「相瀬くん………」





人気者の相瀬くんだった。





「どうしたの?もしかして気分悪い?」




相瀬くんもしゃがみこんで目線を合わせてくれた。



そう言えば…ずっと下を向いてたからかな……



吐き気が……





「っ…うっ……」




ダメだ。こんなところで吐くわけにはいかない。


ここは校庭の端っこといっても、今日は体育祭。外部からいろんな人が来ている。


保護者とか……



人がいっぱいだ……




とりあえず…トイレに……




わたしは、立ち上がった。








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