あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
―――――――バタン
「はあはあ……」
大きく肩を揺らし、トイレの個室に入った。
大丈夫…大丈夫……
何もないよ……大丈夫……
わたしは、根拠もなくそう言い聞かせた。
「ふぅ………」
大丈夫…大丈夫…
息を吐きながら何度も、何度も……
何で…まだ……落ち着かない……
やだ……だれか……助けて……
不安で…不安で…押し潰されそうになっていたとき、予想外の事が起こった。
――――――パチッ!!
「えっ…!?」
薄暗いこのトイレ…電気がないと曖昧にしか見えない。
その電気が……勝手に消えた。
いや、もしかしたら、誰かがいてわたしに気が付かずに消しちゃったのかも………