あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー




その後、追い討ちをかけるように個室をガタガタ…ドンドン…叩かれた。




どこから…とか、わからない。


全体から音がして……




怖い……




ガタガタ…ドンドン…ドンドン……




やむどころか更に増していく。



やだ……怖い……





わたしは、耳をふさぎ、体を丸めた。


嫌……

ほんとに……何なの……?



やめて………




「旨そうな…匂いがする……旨そうな…血の匂いが……」



耳を塞いでいるのにも、関わらず、耳元で聞こえた声……



ヘリウムガスを吸ったような……がらがらした気持ち悪い不気味な声だった。



ゾクッとして、狭い個室の中を見回した。





こんなところに…誰かがいるはずなんて………













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