あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
便器の下、中、ドアの下……全部見てみる。
何もいない……
だけど……
「あぁ……旨そう、旨そう………喰いてぇな…」
また、耳元で聞こえた。
どうして……?
どこから……?
彼の声が聞こえるときとは違う。
彼の声は、頭に響く感じがする。
だけど……今のは………こしょこしょ話をしたときのような感じ……すぐ耳元で聞こえる……
鳥肌が立ち………背中もゾクゾクする。
やだ……怖い………
「そうか……怖いか………なら、もっと……恐怖に陥ろ……」
―――――――ガチャ!バン!!!!
変な声に言われた瞬間に、個室の扉が開いた。