あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
あ~なんかイライラしてきた。
もう、忘れよう。
不味いわたしの所なんか一生来ないでしょ。
行くんならきっと、美味しい人のところに………
だから、いい!
夢だったことにしよう。
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そう思ってから数週間。
忘れようとしていたけど、噛み痕を見るたびにあの男の顔が思い浮かぶ。
何なのよ……もう………
あいつ……わたしに何をしたの…?
噛み痕ももう消えかかっていた。
痕が消えたら……本気で忘れよう。
もう……これに囚われたくない。
自然と手が首筋へと動いた。
もう……忘れるって決めたのに……どうしてこんなに……切なくなるの………?
はあ……嫌だ………
これのせいで、宿題も手がつかなかったんだから………