あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
…………だめ……
アルトくん……
「ア……ル、トく…ん……」
彼の名を呼ぶと、一気に力が抜けて……
わたしはパタリと意識を手放した。
―――――――――
†アルトside†
「ア……ル、トく…ん……」
俺の名を呼ぶ声が耳に入ったあと、目の前の女の力がフッと抜けた。
チッ……もう少しなんだが……
これ以上続けたら……こいつが……
俺は渋々女の体から顔を離し、今まで噛みついていたところをペロリと舐めた。
それだけで、2つの穴は今にも消えそうな位に小さくなった。
これですぐに…噛み跡は消える。
今まで…噛み跡を残しておきたかったのには…理由がある。
少しでも…こいつを他のやつに……
俺は口付けをするとこいつの体調が分かる。
怪我している場所とか…熱があるとか…
体のなかのことも……
前に首筋が毒にやられていたことには気付いたが……見えないところは流石に……
それにここまで…我慢するとは………
俺は体を起こし、女に…楽々に…目をやった。
こいつに……
本当の事を言うか……?
まだ………早い…とも…思うが……