あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
それから、クラスで先生をいじり倒して体育館に移動。
校長先生の長い長い話を聞いた。
しかも、ずっと立っているからきつい………
先生がさっき言っていた、転校生は、明日から来るらしい。
今日は、用事があって無理だったみたい。
転校生か………
どんな人なんだろう………
めったに来ないから、少し楽しみ。
いろいろ考えていたら、もう、校長先生の話は終わっていた。
なんだ……今日は、意外とはやかった。
あとはもう、教室で担任の話が少しあるだけだ。
そのあとは、綾香と遊ぶんだ。
教室での話も早く終わって、早々と、綾香と教室を出た。
「楽々ー♪今日どこに行くー?」
「うーん…とりあえず、何か食べたい」
靴を履きながら、そんな話をしていた。
「っ……!!」
いきなり、頭を激しい痛みが襲う。
それに堪えきれなくて、靴箱の前に座り込んだ。
「楽々!?どうしたの!?」
「綾香……な、何でも…な、い……」
なに……これ……?
頭が……割れそう………
『……くな……い…な…』
えっ……?
だ、れ……?
頭の中に、声が響いた。
聞いたことのある声………
『今日は、もう、帰れ……行くな……』
さっきよりも、はっきり聞こえる。
帰れって……何で……?
頭痛に耐えながら聞いてみる。だけど……『お前に……』と、だけ言うと、痛みと共に、声もスッと消えた。