あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
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ホームから落ちた後、動けなかったわたし。
その時、一瞬……ヒヤリと冷たい感覚がした。
すると、誰かに抱きしめられ、ホームの下へと動かされた。
その瞬間……電車が横を通った…………
さっきとは違うヒヤリとした汗が背中を伝った。
「お主……」
「えっ……?」
聞き覚えのある声と、言い回し………と思い、助けてくれた人を見た。
「!?あ、あんた……」
そう言うと、狼のような目付きで睨まれた。
こ、怖い………
「俺に、向かって……あんたとは何様のつもりだ……?
それに……よくも俺の忠告を無視してくれたな……?」
そう……助けてくれたのは…、あの夜の男だ。
鼻の高い……吸い込まれそうな紅の瞳。
整った顔……。
「聞いてるのか……?」
「い、いや……だって……あんなの信じられるわけ………」