あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
そのあとすぐ駅員さんが来て、駅員さんの部屋に連れて行かれた。
そこには、綾香もいた。
「ら、ら……楽々…!!」
わたしを見るなり抱きついてくる綾香。
「ごめんね?綾香……大丈夫だよ」
頭を横に振り、わたしから離れない綾香。
きっと、泣いてる……
そんな綾香をぎゅっと抱きしめた。
安心させるために……
それから、駅の警備員さんとかに話を聞かれ、事情を説明した。
自分でも何で落ちたのかわからないこと、自負からは飛び降りてないこと、誰かに押されたような感じがしたこと。
あと、男の人に助けられたこと……
その人は、助けたあとすぐに、どこかへ行ってしまったことも……
全部話した。
幸い、大きな怪我もなく、擦り傷と打撲だけですんだ。
軽く手当てをしてもらって、家へと帰った。
綾香は、まだ心配なようで家まで送ってもらった。
「ごめんね?綾香…送ってもらって……」
「いいのいいの、大丈夫!
それにしても……おばさんたち…まだ?」
「うん……」
「そっか……何かあったら連絡してね?」
「ありがと!またね、おやすみ」
綾香が帰って行くのを見送ったあと、わたしは家の中に入った。