あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
今度会ったら、ちゃんとお礼しなきゃ……
でも、あんなことする人に……?
いや、それとこれとは別!
一応、命の恩人なわけだし………
「あ、チャイム!またね、楽々」
わたしの返事をまたないまま、綾香はそそくさと、席に戻って行った。
みんなも今日は、席に着くのが早い。
そんなに早く、転校生が見たいのかな?
転校生の効果ってすごい………
「よーし!ってあれ?お前らどうした?」
先生も、珍しくみんなが席に着いているので驚いていた。
「気持ち悪いぞ?今日は、台風か……?」
と、わざとらしく外を見に行く先生。
「そんなことより、早く転校生紹介しろよー」
生徒からブーイングを受ける先生。
クラスが笑いに包まれた。
「わかったよ」
はぁ……と、ため息をつく、先生。
だけど、すぐにニヤリとしてわたしたちをみた。
「お前ら、腰、抜かすなよ?」
それってどういう意味………?
みんながそう思った時、「入って来い」と、先生が転校生を教室へと導いた。