あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
てっきり……20代だと思っていたんだけど……まさかの高校生……?
わたしが男を見ていると、向こうもわたしと視線を合わせた。
切れ長の瞳に見つめられ、視線を反らしたくなる。
だけど……反らせない。
吸い込まれたような気分だ……
男は、フッと鼻で笑うとわたしから視線を外し、先生にこう言った。
「学級委員は……?」
そういえば、しゃべり方も違う。
わたしのこと『貴様』だし、上からものを言う。
あんなに丁寧じゃないよ……
「野崎!!」
「は、はい!」
いきなり先生に名前を呼ばれ、立ち上がってしまった。
「珍しいな、お前がぼーっとするなんて……
まぁ、いい。今のあいつが学級委員委員だ。
あいつに聞けば、確実だ。なんなら、席も隣にするか?」