あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
名前……これでいいよね?
呼び捨ては、馴れ馴れしいし、アルトくんって言うのも……前から知り合いだったみたいだし……
と、悶々と考えていると、誰かに腕を捕まれわたしは教室の外へと、連れていかれた。
えっ…?
だ、誰……?
前を見て腕を引いてる人物を確認する。
はっ…?えっ……?
人物の確認をして、驚いた。
やっぱり……この人は、あの夜の人なのかな……?
こんな……強引な人…他にいない。
そう、わたしを教室から連れ出したのは、転校生…ハーバルトくん。
そして、わたしは、いつの間にか空き教室にいた。
ここはほとんど使われない教室。
ここの前を通る人も少ない。
今、使われていない教室を何ヵ所か通ったのに……何でここまで……?
そこで、やっと腕を離した彼。
顔を見ると、やっぱり似ている…というか、本人?でも、瞳の色が………
「どうした?そんなに見るなんて……見とれたか?」
そう言われハッとする。
「ち、違うわよ!!何するの!?こんなところにつれてきて!!」