あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
確かに…そうだけど………
「なんで、わたしには……本当の姿を見せるの?」
どうして…わたしにだけ……?
すると、また鼻で笑う、男。
「うぬは……」
うぬ……?
お主って…こと?
そこまで言うと、黙りこむ。
「……………」
そのあとは結局口を開かず、教えてはくれなかった。
その代わりに………
彼は、わたしの腕を引き……首筋に顔を埋めた。
また……噛まれる……?
と、身を構えていたけど、痛みは感じず……味わったのは………
「っ………」
少しの快感だった。
彼の顔が離れて見上げると言われた。
「ふっ……やはり…うぬは………ちゃんと、躾ないとな……」
それから彼は、静かに教室を出て行った。
わたしは、ただ呆然と彼の背中を見ていた。