あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
嫌なのに……どうして……
「っ………ん…」
彼がごくりと飲み込む音が聞こえてくる。
その音があまりにも生々しくて……
さらに嫌になる。
嫌だ……いや……イヤ……
「…………」
結局、何も抵抗できずに、わたしは、固まっているだけだった。
「…………そんなに…嫌か…」
首から顔を上げた彼は、わたしを見て鼻で笑った。
「俺を嫌いなお前に……1つ教えてやろう…」
彼は、わたしから離れて背を向けた。
顔は向けず、耳だけ傾けたわたし。
「お主はもう……俺と共にする運命だ」
それって……どういう………
「今日は……ゆっくり休め」
わたしが聞き返す前に、彼は、消えていた。