あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
「楽々?おはよう。
体調は、もう大丈夫なの?」
「おはよう……もう、大丈夫」
「なら、よかったわ。
はい!朝ごはん♪」
お母さんに渡されたのは、目玉焼きとハムの乗ったお皿と、ご飯が注がれたお茶碗だった。
それを手に取り、テーブルに置いた。
それから手を合わせて口にいれる。
お母さんは、毎朝朝ごはんを作ってくれる。
休みの日も必ず。
当たり前のことだと思うけど、それが嬉しい。
口には出さないけど………
「雅音も心配してたわよ~。
ちゃんと、大丈夫だって言ってあげなさいよ?」
わたしの味噌汁を注ぎながらお母さんは、言う。
弟は、小学生。
確か……四年生。
わたしより7つ下だ。
若い弟は、わたしがいつもリビングに来たときには家を出ている。
だから、朝に会うことはほとんどない。
仕事をしているお父さんもだけど………