あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
ガラッ…………
と、ドアの開く音がして教室の雰囲気が一変した。
教室の入り口を見ると、彼が……教室に入ってきたところだった。
あれ………何だか、不機嫌そう…?
クラスメイトも、彼が不機嫌そうなので話し掛けない。
っていうか何でまた…わたしは……
もう…考えないって決めた。
だから………
知らない…知らない…
「彼、今日も不機嫌そうね~」
「今日も…?」
思わず綾香の一言に反応してしまった。
綾香のばか……
「そう。昨日ね、隣のクラスに……」
「アルト様~♪」
高い声に綾香の声か消されて、その方向に視線をやると……
ふわふわした金髪のお姫様がいた。