【完】片想い~けじめ~
「あのね…。あたしさ、一回宏太のこと諦めようと思ってた時期あったんね?」
「うん」
「だけど…、やっぱり出来なくて。
宏太が、好き…“でした”」


あたしは、好き“でした”と、過去形で言った。

そうしないと、いけないから。

溢れそうな涙をこらえながら、言った。

「うん…、ありがとう」

「でも、もうホントに諦めるから!
彼女さんと、幸せになってね」

そう言うと、宏太は……

「うん…。
ソイツとも、“ずっと一緒におろうね”って言ってた」

そう、笑顔で。
幸せそうに言う宏太を見て、胸が締め付けられた。
もう…涙がでそうで、怖かった。

だけど、泣かないよ。
泣いたら、困らせるもん。


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