窒息寸前、1秒
「はぁ!?知らないの?」
目を丸くして驚く夏海。
「え…。」
「だから、永瀬先輩!」
今日は月曜日。
学校につくと、直ぐに夏海のところに行って、孝輔先輩のことを聞いてみた。
一緒に帰って仲良くなれたから、直ぐに夏海のところに行くなんて我ながら単純だな。
でも、夏海は何も気にしているそぶりも見せず、快く受け入れてくれた。
「そんなに有名なの?」
「当たり前!あんた以外みんな知ってるよ。少なくとも、この学年は1年被ってるしね。」
「へぇ…。」
孝輔先輩、そんなに有名人なんだ。
まあ、確かにかっこいいけどなんか胡散臭い感じするのにな。
「永瀬先輩はいわば、3高よ!イケメン!金持ち!頭よし!」
「なんか、バブル感が…。」
「とにかく!完璧なの!」
「はぁ…。」
なんでか孝輔先輩について、熱弁をふるう夏海に呆れぎみで聞いている私。
由梨子さん、さすがだな、なんて思ったり。
「ていうか、なんで永瀬先輩のこと聞いてくるの?」
そうなるよね…。
まあ、夏海だから、いいか。
そう思って、私は土曜の出来事を話した。