窒息寸前、1秒
「ただの、顔見知りです。」
この答え、何回目だよ…。
「そんなの、嘘でしょ?手を繋いでる所を見た人もいるんだから…。」
「そんなこと…。」
いや、そういえば先輩はずっと私の腕をひいて歩いてた。
それは、手を繋いでるように見えなくもない。
「それは、なに?」
凄むように、問いただしてくる隣のクラスの女子。
それも、クラスの中心的存在のキャピキャピ女子。
その横には、キャピキャピ仲間の女子が三人。
みんなそれぞれ私に、鋭い視線を向けてくる。
「そんなことない、です。」
あれは他の人からどう見えようと、手を繋いでいたわけではない。
と開き直って、言う私。
「本当に、ただの知り合いなの?」
「はい。」
疑うような視線で私を見てくるキャピキャピ女子集団。
まだ疑ってんの…?
めんどくさいな。
でも、先輩は本当にすごい人気なんだな。
今日でとても実感した。