窒息寸前、1秒
「は?」
まさにぽかーんという表情を浮かべる女子軍団。
そんな様子す気づかないふりして、私はにこりと笑う。
「なんですか?」
本当はわかってるよ。
でも、もううんざりしているの。
「あんたのメアドなんて知りたくないわよ。そうじゃなくて、孝輔先輩のメアドよ。」
「あっそうなんですか。」
苛立ちを隠さずに言う川島さんに、私は知らなかったというように驚いて見せる。
知ってるよ…。
あんたたちで何人目だと思ってんの。
「早く教えて。」
うんざりと言うような川島さんと、なにも言わず目線だけで威圧してくる仲間。
うんざりしているのはこっちだよ。
「嫌です。」
私のはっきりとした声が響く。
「はぁ?」
今にも怒りだしそうな川島さん。
「孝輔先輩のメアドが欲しいなら本人に言ってください。」
昨日、先輩と連絡先を交換した。
というか、友達なんだから知ってなきゃおかしいでしょ?と言う先輩に強制的に交換させられた。
別に嫌だった訳じゃないけど、先輩の有無を言わせぬ雰囲気にされるがままだった。