窒息寸前、1秒



「ちょっと、先輩!どこ行くんですか!?」



私の手を引っ張ってズンズン歩いていく先輩。



正直あの場に居たくなかったから助かったんだけど…。



「ん?」



やっと、止まって私の方に振り向く先輩。



もう校門を出てきてしまっているんですけど…。



「どこ行くんですか?」



「どこ行きたい?」



「はぁ?」



答えになってない返事を返してくる先輩に呆れる。



「まぁまぁ。花那ちゃん。取りあえず行こう?もう、授業ないでしょ?」



確かに、今日は五時間目までで終わりなのだけど…。


「待って!かばん!」



「今日は奢るから大丈夫。スマホも持ってるし。それとも、何か大事なものある?」



「いや…ない、です。」



今日は宿題もないから、はっきり言ってスマホさえあれば何とかなる。



だけど、この先輩の強引さはなんなの?



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