窒息寸前、1秒



「どう?お気に召しましたか?」



クスクスと楽しそうに聞く先輩。



「…はい。」



私は口に一杯オムライスを頬張りながら頷く。


とろとろの卵に、特製チーズソースがかかったオムライス。



頬っぺたが落ちちゃうほど美味しい。



「よかった。機嫌なおった?」



「…まぁ。」



自分はカツサンドとブラックコーヒーを飲みながら、余裕そうに尋ねる先輩に、頷く。



機嫌なおったの、わかってて聞くんだ。




「よかったよ。嫌われたら嫌だしね。」



また可笑しそうに笑う先輩に、



「そうですか。」



ぶっきらぼうに返事して、お店を見渡す。



シックな木目調で纏められていて、落ち着いた店内。



ちょっとだけ、入るのがためらわれたが、先輩が大丈夫だよと言うので思いきって入ってみたら、とても素敵な雰囲気。



まだ夕食には早いので、飲み物を飲みながら談笑しているご婦人や、パソコンを開くビジネスマンが目立つ。



大通りから一本入った、隠れ家的なカフェ。



こんな素敵な店にさらっと連れてくる先輩は本当に完璧だなと、改めて思った。




雰囲気も素敵だけど、食べ物も美味しい。



先輩の、ここはオムライスとカツサンドが美味しいよという言葉に従って正解だった。





< 47 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop