窒息寸前、1秒



「花那ちゃん、親御さんに連絡しなくて平気?夕飯食べちゃってるでしょ?」



「あっ!そうでした。ありがとうございます。」



先輩に言われて、お母さんに連絡をしようとスマホを取り出す。




「あ。」



隆弘からメールが二件。



「どうしたの?」



「隆弘から、メール来てて。荷物あるけど帰ったのか?って。」



心配しているというような内容だったけど、先輩が申し訳なく思ってしまうのではないかと思って言えなかった。



「そう。隆弘に悪いことしちゃったね。今日は約束か何かあったの?」



「いえ…。特には。」



「そう、よかった。」



本当は、一緒に帰る約束してたけど。



二件目のメール。



「今日は一緒に帰れないらしいので。」



今日は隆弘、由梨子さんと会うんだね。



「そっか。」


先輩は、それ以上何も言わなかった。


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