窒息寸前、1秒




「先輩!今日は私が奢ります!」



「はぁ?」



私のいきなりな宣言に、意味が分からないという感じの先輩。



思えば、いつも先輩と会うときは先輩のおすすめのお店で、しかも先輩が奢ってくれるか、多目に出してくれるかだ。



「いつも、先輩にご馳走になっているので今日くらいは私に奢らせてください。」



「そんなの気にしなくていいよ。いつも誘ってるのは俺なんだし。」



先輩が私を誘ってくれてるのは、私の気持ちを考えてのことだと思う。



隆弘からと由梨子さんのことで気を揉まないようにって。



だから、今日くらいはいいですよね?先輩。



「さぁ!行きますよ!」



「うわっちょっと、花那ちゃん!」



驚いてる先輩を無視して、強引に先輩の腕を引っ張って立ち上がる。



このお店は先払いだったので、そのままお店を出る。




ずんずん歩いていく私に、先輩は諦めたのかされるがままに着いてくる。



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